第37話 The Calling〜長い長い手紙の歌 史上最大TAE最強決戦
9.25 火曜日 TAE手術 3回目
朝早く目が覚めた私は究極の戦いに向けて準備していた
関門の点滴に尿管カテーテルもなんとかクリアして8時50分に血管内治療センターに車椅子で旅立った
「のう!まりこくん!」
「ペンペン先生、みんなここでまってて」
「あい!わかったのう!必ず帰ってくるのじゃぞ!」
9時前に血管内治療センターに到着して、音楽は今回最初の洋楽が採用されていた
Friday night fantasyのトランペットが決戦感を盛り上げる
今回はK先生とY先生が中心に究極の戦いを盛り上げることになった
「3回目なので、色々ここまでありましたよね?」
「えっ!いつも通り…」
Y先生はそう言ってのけて運命の時に向けて準備をしていた
そしてK先生からもあいさつを貰ってカテーテルにガイドワイヤーを通している
途中音楽が止まるハプニングがあり、なんとか少ししてから復帰した
この前より洋楽のお陰かしらチーム一丸となっている
「まりこさん!2ヶ月前に詰めたとこの近くから細い血管がしつこく出てきてます!また詳しくは外来で話しますので」
「ヤドカリがパワーアップしてマクロファージが45歳になる前にこんなに早くリセットかけたんですか!」
早い、早すぎる血管の再生、鈍器を持ったマクロファージがいつのまにかリセットをかけてきていたなんて
その直後から意識がなんか行ったり来たりおかしくなりそうになり、ヤドカリの烏帽子に最大の接着剤流してから段々とやばくなってきたので脈を上げる薬を点滴から投入された
「まだ君を死なせるもんか…」
枕元に神さんの声がした
「神さん、まだ死にたないよ」
「私はいつでもそばにいるから、死なせるもんか…」
神さんのパワーと脈をあげる薬のパワーで意識は蘇ってきたわけだ
「私はいつでもここにいるよ、君のそばに だから、寂しくない、ちっとも寂しくなんかないんだ」
「神さん、ありがとうございます
たくさんうちに可愛いどうぶつたちを派遣してくれて」
「動物たちはみな私の分身だから、今後ともね君のそばにいるから
君をあの世には行かせないから!」
そして詰め物は再開され途中で右腕から造影剤を入れて撮影になった
「神さん、あなたがいたからここまで漕ぎ着けたんだ」
「でもまだここでは終わらないって言った意味K先生通じて聞こえたよね?血管というものは塞栓術してもまたどこからか再生する再生工場なんだ
君の父上はたまに電話で首を吊るかもと言ってるが首を吊る真の恐ろしさを知らないんだ
こんなに血管が一生懸命再生してるのに
だから君を死なせはしない、死なせはしないから」
「再生工場、血管にもあるんだ」
「言葉の力には気をつけなさい、そして身を守りなさい、高額な学習教材には気をつけなさい プログラミングと言ってないでパソコンの基本だけは大事だから
悪い言葉をブーメランのように放てば自分に帰ってくるから」
「神さん、ありがとう。」
「請求書作成の練習見ていたよ、もっと応用のレベル上がるといいね!」
「パソコンには無料Wi-Fiが繋がらなかったので、エクセルだけ昨日練習してました
レストランの残骸使って請求書をエクセルで関数駆使して作る練習やってました」
「有線LANじゃないとね、申し訳ない
スマホは対応してるが、パソコンのWi-Fiは想定してないから」
「神さんのおかげです、テクノロジアに引っかからなかったの」
「だからそしてここに君がいる、君がいるんだ…」
そして難易度高い血管の塞栓を二箇所やってついに究極の戦いは幕を閉じた
別室でワイヤーの管を抜いて止血、雑談しながらストレッチャーの準備で部屋に戻ることになった
Y先生との雑談は少しだけだったが、洲崎神社と萬松寺と、若宮八幡の話に留めておいた
部屋に帰ってきて6時間固定タイムはこれを書いてる今でも続いている中、おにぎりとくしの昼ごはんと水分を取ってブログを書いていた
ふとA先生が様子を見にきてくれて6時半に固定ベルト外してからご飯の案内がお知らせされたばかり
点滴も最初の便が終わりがけで
汗がものすごいのなんのって
「のう…まりこくん、戦ってるのう!」
「オイラたちの元に戻ってきてくれて嬉しいが、ヤドカリくんが45歳になる前にパワーアップするなんてな、占いよりもびっくりしたよ」
「だから、今回で終わりじゃなくて打ち所があまりに悪いから、40歳になる前に再発ってどんな…」
「ザ二人三脚ならぬザ血管奇形工場リバイバルwwwプログラミングなんかどこかへ飛んでくくらいwww」
「もうMicrosoftオフィスだけでいいわ
それ言ったらファイファンのシーモア第二形態になってしまったやないか」
「マクロファージ様、占いの通りのシナリオじゃダメですかって感じwww」
「45歳で鈍器振りかざすと思っていたらもう40歳になる前に鈍器振りかざすのwwwちょっとシーモアさまじゃん!」
「45歳の根拠の占いがわからない、オイラだったwww」
「永遠に生まれの山羊座火星と土星がごっつんこしてろってことか…流石にたまらん」
「でも生まれは動かないが土星は動いてるよね…」
「のう!シーモアさま再生工場はきついのう!」
夜になった
「今日は体の節々もあれなので、電話抜きにするね」
「そーだのう!」
「大人しくネットでも見てるさ、究極の戦いやった後にあの声聞きたくないで」
そして、圧迫ベルトを取って、尿管カテーテルを取って本日の夕ご飯
「金目鯛だのう!」
「続編ありなんて怖いよね、まりこくん
でもあんまり春日井で波瀾万丈してると血管くんもね再生工場してパワーアップするんだよ」
「永遠にプログラミングもどきは諦めてほしい、まりこたんwww」
「明日の外来が怖いwww」
「プログラミングのことやゲームのことなどなど未練タラタラだから血管くんが複雑に再生しちゃったじゃないか」
「牡羊座満月って血管くんがパワーアップする満月だったっけ?完了じゃないのん?」
「甘い!青い!占い通りに体のこと上手くいくかねぇ!まりこくん!
稲沢とか一宮よりは長い付き合いなるの覚悟してね!出来なかったら振り出しに戻るから!ね!恐ろしいでしょー!!」
「てことは究極のさらに最上の究極みたいなwww」
「そうだねぇ!幸いロボットとか無駄遣いはしてないけど、血管くんが波瀾万丈で45歳よりも早くパワーアップしちゃったねぇ!そんな状態で電話で首を釣らなきゃとか急かす親も間違ってるから今日は電話抜きね!」
「ぴーちゃんわかったよ、電話やめておく 節々まだ痛いし」
「元レストランのお客さんにしろ…日曜の薬局のあれ、今頃気づくなんておそいぞー!!てことは追い詰めていたのかな?」
「まりこさん!副大統領とフー子がね、水分をウォーターサーバーからでいいのでたくさん飲んでほしいって連絡貰った
カパール先生がね、今日はK先生大活躍してたこと感じてたみたいだったよって!それでこそ、私の教え子だと」
「手術中神さんからパワーもらってそれで生き返っただ、目だけ開けてるのに脈がやばくなるし、神さんのパワーなかったら集中治療室だったかもしれない」
「またヤバかったんだ」
「でも枕元で神さんがエネルギーを送ってくれてそれでまた蘇った
いつもそばにいると何度も語りかけてくれてね、神さんとともに人生あるんだよって実感したわ」
「オイラたちも、途中でまりこたんのエネルギーが徐々に無くなりそうだったから、パワーを洲崎組とみんなで注いだ
まりこたん、連れてかれないようにみんなで血管内治療センターのまりこたんに注いだの」
「ジェイソン!みんな、ありがとう!嬉しかった!」
「洲崎で出会っておいて、連れてかれるなよって感じ」
「まりこさん、痛みはどうかな?」
「流石のヤドカリの烏帽子だから右肩もたまに痛むね」
「今日は遅いし電話なしでいいのは、パパさんも分かってるはず
たまには、電話なしの日あっていいよ」
「まりこたん!テレビなしでも全然大丈夫だな!」
「それにしても、明日の外来の案内が来てない…それによってはあの特別なCTになるかもしれない」
「今日まではタイトル決めてたが、明日以降のはとりあえず英語にした」
「いかにもカパール先生ですねぇ!まりこたん!んで特別なCT出たらチョイスとか続編…」
「K先生次第でタイトル決まるよ、今回他の科目とバッティングしてないもん」
「それでこそ、私の教え子のセリフに感動したよ」
「ジェイソン、師弟愛を見たような気がする」
「まりこたんだって!師弟愛だよー!」
神さんがおらんかったら後の手術のおばあちゃんのように部屋に帰ってこれなかったかもしれない
K先生の写真が待ち受けだっただろうか
いや、神さんが待ち受けだからこそ出来た技である
高血圧になるということはお菓子を食べてなくてもこういう長期間続く副作用があるんだなとはじめて痛感した
それにしても、ヤドカリがシーモアのようにパワーアップしてたとは夢には思わない
「しかし、横にならんとダルそうだな、まりこたん!」
「そいじゃ、占いに関係なく今日のお話は消灯も近いしここまで!」
タケキャブ待ちながら筆を置いたのだった